8/2にシン・ゴジラを見てきた。
「ゴジラの中の人は野村萬斎」と言う以外予備知識をまったくいれず行ったのだが、凄く面白かった。
……面白かったけど、あれはずるいというか卑怯だよなぁ。
キャストが卑怯
主役格と副主役とも言える二人の計三人は良くも悪くも邦画では必須ともいえる三人だったけど、その脇を固めるキャストが渋い方向に豪華。
そりゃドラマ部分が面白くなるわけだ。
音楽が卑怯
ゴジラパートは従来のゴジラ音楽だったのだが、人間パートの音楽がウルトラ風だったりエヴァ風だったりで思わずニヤリとさせる卑怯さ。
会議の開始の時のアレを聞いた時は思わず「エヴァじゃん」と呟いてしまった。
カメラ割りが卑怯
コピー機や電話のアップ越しだったり、ノートのモニタの裏から透かして撮っている手法は初期のウルトラマンやその頃の特撮やドラマで多用されていたモノ。
これでもニヤリとさせられた。
ゴジラそのものが卑怯
システムというか設定が卑怯なのは怪獣映画では逆に普通なんだけど、初期の容姿が卑怯すぎる。
初め”なんでそんな姿勢で?”と思わせといての第二形態。
あれは度肝抜かされた。
第二形態から第三形態への変化の仕方も良かった。
熱線を最初吐く時の準備段階にはなるほどと思わされ、対空熱線の出し方は”そんなんありか、卑怯すぎない?”と思ってしまった。
ゴジラの設定やその倒し方(と言うかそのための機器)は新しいアイデアで当然面白かったが、今作の主軸はやはり人間ドラマだったと思う。
ゴジラという超災害に立ち向かう政官民、「日本人は頑張れる」というど直球なテーマを熱く誠実に表現できていたと思えた。
(正直、”庵野さんがこんなまっすぐな作品作ったの?!”とも驚いた)
”入隊した時から覚悟はできている”と死地ともいえる最前線で奮闘する自衛隊隊員たち、命令を下す政治家の責任として陣頭に立つ主人公。
最終作戦のシーンは胸は熱く、涙腺は緩みっぱなしだった。
本当に面白かった。
21世紀の特撮映画の名作、新しいお手本、まだまだ日本の特撮は面白くなれるという期待、そんないろいろなものを感じずにはいられないくらい面白かった。
……うん、面白かったんだけど、どうしても見終わった後、(酷い妄想ではあるが)庵野さんが「こんな特撮が見たくて作ったんだけど、君らもこういうの好きだろ?ほらやっぱ好きなんじゃないか」ってドヤ顔してるのが浮かんでしまって、なんか悔しさも残ってしまった。